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「またお前かよ、」
つか付いてくんな、安野は隣に並ぶ男の前に大股で出る。
だいいち、その肩の位置とか自分よりちょっと高い、歩幅が違うところとか結局隣の男のほうが足が長いというところだ。
「付いてくんなって、同じ学校だろうが」
ごもっともです。
なら止まると、安野はピタリと足を止めた。
男はスタスタと前をゆく。
振り向きもしないで。
それはそれで、
「っくそ!」
何かムカツくのだ。
背中は遠くなる。
やがて、現れた校門に吸い込まれていく。
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