0話†プロローグ†

2/6
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/82ページ
―――とある暑い夏の夜。   アメリカのとある州の某所で、パトカーのサイレンが夜の街に響き渡っていた。   …時間は少し遡る。 数分前に警察に一本の電話が届いた。…どうやら強盗が出たらしい。   「らしい」というのは、その被害者からの連絡ではなく、近隣の住民による通報だったからだ。   とにかく警察も、そういうわけなら仕方ないから、一応確認するために渋々現場に向かう事になった。   …が、いくら確認とはいえ時間が時間。   今から愛しい妻と子が待っているマイ・スウィート・ハウスに帰って、妻と一発ヤろうと思っていた所に、この電話だ。…流石に萎える。   「今日の業務は終了だ。これから俺は帰って夜の業務と洒落こみたいんでな。また電話しな」…と本当は言いたかったに違いない。   しかし、彼とて警官だ。街の守護者であり、正義のヒーローだ。この腹癒せは犯人を取っ捕まえて正当防衛ってことで八つ当たりしよう。   そう彼が思ったかどうかは知らないが、こうしてパトカーを運転し、通報があった現場へと向かった。
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!