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「な……」 右腕を大きく振り、遠心力を使って噛みついている犬を近くの電柱に叩きつけて片付けたギース。 その瞳に映った光景は、想像以上のモノだった。 「風が……」 犬が涼香目掛けて飛びかかった瞬間、それは起きた。 まるで、あの夜と同じように風が涼香に集まっていく。 「くっくっく…」 そしてそれを目にしたギースに驚愕の表情はない。むしろ歓喜しているようにもみえた。 「やっぱり…やっぱりかクソアマァ!それがテメェの力か!!」 大いに笑いながら、ギースは涼香の力の一端を観察する。 吹き荒れる風。 その風圧のせいか否か、飛びかかった犬たちが弾き飛ばされ、元いた位置に転げ落ちる。 【これは…あの時と、一緒の―――】 突然の風の出現に驚いたのはどうやら術者のジェダイのようだ。 だが、ジェダイが驚くのはこの後だった。
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