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「あ!ちょっと待って!」 ギースが腕に治癒魔術をかけようとした時、涼香が止めに入った。 「あん?」 「笑ったのは、うん。謝る。ごめんなさい」 ギースの右腕を触りながら謝る涼香。 「この腕の傷の原因も、やっぱり元は私のせいだもん。だから、せめて手当てさせてください!お願いします!!」 必死になって頼み込んでくる涼香にあっけにとられたのか、ポロリとタバコを落とすギース。 予想外だったのだろう。 まさか涼香が責任を感じていたことに。 ギースが呆気にとられている隙にキョロキョロと周囲を見渡す―――と、学校に目が止まった。 (そっか…学校の保健室だったら…) 包帯や薬品といった救急キットがあるはずだ。 幸いにも、まだ灯りはついている。 だが時間帯的にも生徒は皆無だし、いるとしても数名の教員だけだろう。 …ということは、学校に侵入可能…ということだ。 「よし!ギースさん!学校にいきましょう!」 「…はっ?」 「学校にだったら手当てをする道具が揃ってますし!早く手当てしなきゃ!!」 ぐいっと右腕を引っ張る。 「お、おいっ…クソアマァ!テメェそっちを引っ張るな―――てゆーか!テメェ!実はいっぱいいっぱいか!?そーなんだろ!?コノヤロー」 「私に任せてください!ドーンとこーい!!」 「うぉぉい!?」 ―――こうして半ば強引に引っ張られながら学校に忍び込むのだった…。       1-3.end
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