2007年・梅雨

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ルイとの出逢いは、一通のメールからだった。 私は当時運営していたHPに載せるために"前略プロフィール"の機能を無料レンタルしていた。 無料のフリーメールを取得する方法がわからなかった私は、何かあったらすぐに変更できる携帯電話のメールアドレスをそのページに掲載して、HPに足を運んでくれる人達と連絡をとっていたのだ。 だけどルイは、きっと私のHPからではなく、色んな人の前略プロフィールを見ていって私のアドレスを見つけたのだろう。 出会い系か何かだと勘違いしていたのだと思う。 だけど"来るもの拒まず"の私は、メールくらいなら暇潰しになると考え、気軽にメールを返した。 …軽く警戒した"フリ"をして。 初めは他愛ないメールから、何が好きかとか、何処に住んでるかとか、お互いの事を色々話した。 メールが直ぐに返ってこない日もあったけど、別に彼氏でもなかったし顔も知らなかったから、然程気にしなかった。 そうして2ヶ月が経ち、私は付き合っていた雄一郎にフラれた。 分かっていたこととはいえ、無理して継続させることと終わらせることは全く違う。 どんなに強がっても、"彼氏"の存在自体が私の中から消えたショックは隠しきれなかった。 でも2年になってから専門学校の体験入学で講師のサポートスタッフを任されていた私には、悲しんでいる暇がなかった。 ルイに会いたい… いつしか、無意識にそんな事を思うようになった。
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