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僕は愛を知らない。 そう思ってるのは僕だけかもしれないけど。 三人兄弟の真ん中。 姉は大切に育てられた。 初めての子供だったし、皆が喜んだ。 年子で生まれた僕は二の次だった。 泣いてもほっとかれた。 散歩に行く時は決まって姉が抱っこされ、僕は歩かされた。 時には置いてかれた事もある。 そんな事が当たり前だと思っていた。 4歳離れて弟が生まれた。 末っ子はかわいい。 甘やかされて育った。 欲しい物はいつでも手に入った。 ドウシテ僕ダケ…? 祖母は僕を嫌った。 姉や弟をかわいがった。 僕が何をしたっていうの? 明るくなんでも話す姉。 末っ子でなんでも許される弟。 僕はいつだって一人だった。 ただ一人だけ… 僕を気にかけてくれる人がいたんだ。 じいちゃん… あなただけだった。
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