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ジングルベルが聞こえる
掌に降る粉雪は
その結晶を見せる前にいなくなった
君のやってくる所は
きっとこんな所じゃなかったんだろう
純白の吐息は空を行く
僕を許してくれるように
今日の町には夜が来ないけど
かわりにその闇の潜む所
僕は知ってる
今頃積ってるんだろうな
町中に溢れる喧騒
そのおこぼれを食べていた二人
それでも幸せだった
どこかに落して埋もれていった
両手をポケットにうずめて行く
雪は歌い続ける
どこからかジングルベルが聞こえる
僕のそりじゃ間に合わなかった
もう届かない
切られた風がすずを鳴らす
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