心の瞳

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ふと気がつくと 昨日までなかったものが 今までずっと 存在していたかのように そこにあって 当たり前な顔をしている君を 羨ましいとさえ思う どこまで行っても見つからない 探し求めているものは いつも近くにあるのに 見えない圧力に占領されて 磁石のように引き離されていく まるで 誰かに操られているみたい きっと 私はまだ 成長していなくて たぶん いつまでも満足できず 完全という形態(かたち)にはなれないのだろう どんなに 明るく振る舞っても どんなに楽しく振る舞っても 誰もが 心に鉛を抱えて生きている 綺麗ごとでは済まされない 空白の心を持っている 心を形成するのは自分 誰も独りでは生きていけない 傍にいる誰かに いつかきっと 認めてもらえる日が来ることを 今日も心のどこかで祈っている やるせない夢の重さに 今日も世界中のどこかで 誰かが苦戦している あまりにも大きな重力に 逆らえない自分が情けない 何かに憧れて 私はこの世界で夢を持った そこに来るまでの勇気が 無にならないように いつまでも 私は私でいたい 誰かに 魔法を吹きかけられる前に 本当の自分と 出会いたい
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