睦月

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ある部屋にて… 『弘元様。 来人でございます。』 『通せ。』 部屋に入ってきのは、赤子を抱いた 老人だった。 『久しいな… じい。』 『はい。弘元様 6年ぶりでございます』 老人がそう言うと頭を下げる。 『そう畏まるでない。楽にしろ』 『はい…。』 『で……。その赤子は?』 『我等…朔罹(サクリ)一族最後の子でございます。』 弘元と呼ばれる男が 険しい顔をする。 『さや…彦斗は?』 多分、老人に抱かれている赤子の親だろう。 『一族を守るためと…我等一族皆と災害をから守ろうとして 死にいたりました。 朔罹一族我等二人だけとなりました。』 『やはり…自然には、朔罹一族も敵わぬか……。』 『はい… いくら術を使おうが 熔岩には勝てませぬ。』
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