睦月がない瀝

始

『わかった。』

松寿丸様は、私が捧げた お守りを眺めながら歩いて行ってしまった。憂慧は、松寿丸様の背中を見送りながら呟いた。

『 聞いていたんですよね？ あの巾着袋の中身 を私意外の人に渡すと その時点で主がかわってしまうと…』

憂慧は、松寿丸がちゃんと話しを聞いていたと信じ 行動に出た。

『まずは…役に立ちそうな情報収集と修行かな…』

と 言って音も無く消えた。