1話 「出会いの対は歌。」

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「…王さまの演奏会か」 少し気になるけれど 歌歌いの仕事は休みを知らない 自分の居住している国、 もしくは場所の民が納得する 理由が必要なんだ。 こんなことで休んではいけない 自分の娯楽はない、 いや、あるのかも知れないけど それは“歌を歌うこと” 「フローラ、歌ってくれない?  今から旅に出るの!  あなたの歌で始まる旅よ。」 ほら、また来たよ。 大事な聴き人が。 今度は大きな荷物を抱えた。 お金持ちのシェリ。 彼女は冒険心溢れるお嬢さま。 「それは光栄だ。ありがとう」 また、繰り返し歌う。 この歌が絶えないように。 彼女の旅に幸あれ。
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