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「俺もコイツも今..
えっと...お名前は?」
「あ、上田です。」
「あ、俺は関口って言います。
コイツは二宮です。」
関口くんは
自己紹介を手短に
済ませると本題に戻った。
「上田さんに
伊藤先輩の話を聞くまでは
正直、半信半疑でしたよ。
一年生は[ナナシさん]って
名前くらいは
ほぼ全員知ってますが、
知ってる人間は[見た]って
言う人以外
全員半信半疑だと思います。」
「...[見た]って?」
「[ナナシさん]をですよ。
最近やたら学校の人間が
心霊現象に見舞われて
いるんです。
「音楽室でピアノを演奏してる
女が急に消えた」とか
「道を歩いてたら女の子が
電柱をすり抜けた」とか
見かけた情報の
[ナナシさん]の容姿が
定まって
いないんですけどね..。
ただ皆、
口を揃えて言うんです。」
「なんて...?」
「「名前を探していた..」
ってね...。」
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