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出勤して仕事につくと、暫くして席を外していた部長がフロアに戻ってきた。
『ちょっとみんな集まってくれ』
その声に部長の元に社員が集まる。
私も先輩の隣に立つと部長が話し出した。
部長の隣には見た事のない男性が立っていて、みんなの視線がそこに集中する。
『えー、この度、我社に入社してこの営業部に配属された人を紹介する。菊地耕太君だ。
彼は営業経験もあり、我社の戦力になるだろう』
『菊地耕太です。中途採用で入ってきましたが、頑張りますので宜しくお願いします』
部長の隣の男が頭を下げた。
『取り敢えず、伊東君、暫くの間彼にうちの仕事を教えてやってくれ』
『はい』
『じゃ、みんな仕事に戻ってくれ』
ばらばらと自分のデスクに戻る中、菊地耕太は先輩の傍に行き、宜しくお願いしますと頭を下げた。
彼の席はまだ決まってなかったため、先輩のデスクに椅子だけ用意して、取り敢えずそこが彼の場所になった。
『いずれは問屋を持たせようと思っているんだが、まずはスーパーでの商品状況とか教えてやってくれ』
先輩の元に部長が行き、そう指示していた。
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