夢はお嫁さん

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  『あのさぁ、薫ちゃん。貴女もうちょっと仕事に身を入れようよ』     目の前で私に説教たれてるのは32歳の先輩。     この間、私の大学時代からの友達の太郎くんと上手くいっちゃって、まさに幸せを手に入れたわけ。   きっと、その効果なのかな?   最近の先輩ったらちょっと綺麗に見えるんだ。   まぁ、私に比べたら落ちるけど……。     『ちょっと聞いてる?』   『あ、はい、聞いてますよぉ』   『薫、貴女ったら最近また企画部に出入りしてるでしょ。言っときますけどね、貴女の仕事をする場所は此処、営業部だからっ』   『はぁ~い、ごめんなさぁ~い。これから薫頑張りますぅ』   『自分の事名前で言わない! 語尾伸ばさない!』     ちっ。   うるさい小姑みたい。     『ほら、解ったら仕事する! もうこんな時間になったじゃないの』   『はぁ~い』     っていうかぁ、先輩が説教するからこんな時間になったんですけど。     自分のデスクに向かうと佐藤京子がこちらを見てクスッと笑った。     ふんだっ!  
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