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『おはようございます』
私は車から降りた係長に走り寄り声をかけた。
『ん? ああ、井上君か。おはよう、今日も早いな』
『昨日言ったじゃないですかぁ、係長と同じ時間に出勤するって』
そうだったなと言った係長に私は話す。
『で、係長? いつ薫と飲みに行ってくれますかぁ?』
『ん、そうだな。君はいつがいいんだい?』
『薫はぁ、係長の都合に合わせますぅ。でも早く行きたいなぁ』
下から見上げるように目だけを係長に向けると、彼も私を見ていた。
『じゃ、今週の金曜日あたりにしようか?』
『うわっ! 薫嬉しい!何時にしますかぁ?』
『金曜日なら、そうだな……。19時半でどうかな? ちょっと遅いかな?』
『ううん、薫は係長に合わせますぅ』
この朝、待ち合わせの場所まで決まった。
『薫ちゃん、3歩リードですからっ!』
屋上でガッツポーズをする。
2日後に迎える係長との夜に期待は大きく膨らむ。
『落とすよ、この薫が絶対落とすから待っててね係長。きゃっ』
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