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家に帰ると、ママが毎週見ているドラマにかじりついていた。
『おかえりなさい、薫ちゃん貴女も見なさいよ。この女ったらホント頭にきちゃうんだから』
『パパは?』
『ん? 今日は接待で遅くなるんですって。
亭主留守で家庭円満ってやつよ』
ふ~んと答えて部屋に上がる。
輪ゴムで束ねていた髪を下ろし、部屋着に着替えると洗面所に行った。
浴室の浴槽にお湯を入れている間にメイクを落とし、洗顔する。
服を脱ぎ、髪をくるくると束ねてクリップでとめて浴室に入った。
身体を洗い、入浴剤を入れた湯に入る。
『ふぅ、風呂が一番。リラックスのひと時だぁ』
しかし、さっきの男って何者?
私の事を笑うなんて許せない。
『変な女って言ったよねぇ……』
変な女。
私って……、変な女?
どこが?
こんなに結婚に向けて、勝ち組になるために頑張ってる私のどこが?
みんなそれぞれ頑張りどころが違うでしょ?
先輩は仕事に頑張ってて、太郎くんは先輩に頑張ってて……。
私は結婚に向けて頑張ってるだけなんだけど?
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