夢はお嫁さん

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  「薫ちゃんはママに似て綺麗なんだから、将来は結婚してママみたいにお嫁さんになるといいわ」     子供の頃からママにそう言われて育ってきた。     「女の幸せは結婚よ」   「そのためにも将来性のある男性と結婚しなくちゃね」     ママは、弁護士とかお医者さんがいいなんて言うけど、私はどうもそういう人ってインテリ臭くて好きじゃない。   いい暮らしは出来そうだけど、そんな上流じゃなくてもいい。   人よりちょっといい暮らしが出来たらいいと思ってる。     この会社に入ったのは、勿論結婚相手を探すため。   大手の菓子メーカーで、不況だ不況だと騒いでいるけど、しっかり儲けてる。   まず、潰れる心配は無い。   そういうとこで働いている男と結婚すれば、何も心配する事がないでしょう。     「女がどんなに頑張ったところで、社会は男を中心に回っているんだから、結婚するのが一番なのよ」     ママの言葉を思い出して頷く。     先輩を見ていてもそう思う。   あんなに仕事が出来るのに主任止まりだ。   営業部の係長なんて、たいした仕事も出来ないのに係長なんだもん。   やっぱり男社会なんだよね。  
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