●Prologue

3/20
前へ
/76ページ
次へ
真っ赤に染まった古ぼけたバスの車内……  煤で汚れた赤い木の床。  曇った赤い窓。    曖昧な赤い『世界』……      今、僕を取り囲んでいる『世界』は、そんな『世界』だった。   【僕】 「……おかしいな……」   僕は、瞼をいっぱいに見開いた。 そして眼の球だけをグルリグルリと上下左右に回転させてみる。          『僕』の認識……   窓の外から夕日が射し真っ赤に染まったバスの車内には、僕を入れて三人の人間がいた。  
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加