2人が本棚に入れています
本棚に追加
真っ赤に染まった古ぼけたバスの車内……
煤で汚れた赤い木の床。
曇った赤い窓。
曖昧な赤い『世界』……
今、僕を取り囲んでいる『世界』は、そんな『世界』だった。
【僕】
「……おかしいな……」
僕は、瞼をいっぱいに見開いた。
そして眼の球だけをグルリグルリと上下左右に回転させてみる。
『僕』の認識……
窓の外から夕日が射し真っ赤に染まったバスの車内には、僕を入れて三人の人間がいた。
最初のコメントを投稿しよう!