二度目の冬、絵描きの危篤

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黒猫は書斎に戻り 猫『ミャー』 猫(届けるよ) と手紙をくわえた。 男『そうか、行ってくれるか、ありがとうな。・・君のことは一生忘れないよ。僕の生涯最高の親友だから。』 猫『ニャー』 猫(俺も忘れないよ。絶対届けるから) 男『そうか、ありがとう。最後にホーリーナイトと会話が出来て良かった。幻聴かもしれないけどちゃんとした言葉に聞こえるんだ。おかしいね。』 そう言った絵描きは力尽きたのか 目を瞑り動かなくなった。 そして黒猫は外へと飛び出した。 親友の彼女の元へと行くために。 不吉な黒猫の絵など売れるはずがない。 それにも関わらずあいつは俺だけ書いた 食べ物だって俺により食べさせるため あいつの食べる量は日を増す毎に 少なくなっていた。 それ故あいつは・・あいつの体は 冷たくなった。 あいつの最後の頼み。 手紙は絶対に俺が届ける。
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