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思わず吹き出してしまう主水。
見ると田中が烈火のように怒っている。
「いや、あの、これは失礼おば」
「えええ、どうせ私は熊五郎ですよ」
「いや、おみかけと、あまりにも違うので」
「わるうごさいましたね、どうせ、私はひょーろくだまですよ
ええ、そうでしょう、そう思ってるんでしょ」
「いや、そんな事は」
「私が、ここに来る時貴方の同僚が
あんなのに、挨拶するくらいなら、田んぼのかかしに三つ指つけと言いました
それでも後任の挨拶も無いんじゃ、寂しかろうと、ほれ、この通り」
田中小判を見せる
「あっ」
「だめです、これは私のやけ酒だいです
まー引き継ぎと言っても、どうせ祿な仕事は、してないでしょうから、
縁が、あったら、また、あいましょう
まあ、ないと思いますがね
あー悔しい、おー悔しい」
田中は袖をかみながらさって行く
ポカーンとしてる主水
「なんだありゃ
言いたい事勝手に言って勝手にかえっちまいやがった
最近の若者は歪んでるね~」
「中村さんじゃないですか?」
主水が顔を上げると日暮がたっている。
「これは日暮さま、いやとんだところを」
主水は日暮を、周りを見た。いかにも侍の子弟と言う感じの子供達が付き従っている。
「いや~さすがは、日暮さま、ご近所の子供まで面倒を見てらっしゃるとは」
「いやいや(*^.^*)お恥ずかしいですが、これらは、みんなみどもの倅及び娘どもでごさいます
いや、お恥ずかしい(*^^*)」
「え~
ひーふーみーよーいつむーなな~や~
五男三女(゜_゜)」
主水肩を、落とす。
「おー丁度いい
よろしかったら拙宅に寄っていただけませんか?
いっこん差し上げたい」
「いや、そんな」
「いや、是非お近づきの印に」
「そうですか
それじゃあお言葉に甘えて」
巨大な門をポカーンと眺めてる主水。
「(☆o☆)4000石の寄合席で元小普請総支配」
主水驚いて座敷から縁側に出て土下座する。
主水が卑屈に、なるのも当たり前だ。
大旗本と御目見え以下(登城出来ない)の御家人では天地の差がある。
詳しい事は今回語らないが、例えば屋敷ので言えば主水の住む同心組やしきは規模で小屋敷レベルで25坪から60坪ぐらい、それに比べて日暮の構える屋敷は大屋敷と呼ばれ敷地2千坪をゆうに越え邸内に大きな池や茶室なども
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