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いける口でしょう」
日暮は手を叩いた。
「だれかある
奥も下働きも出払ってるようです
いずれ、帰ってくるでしょうから、それから本格的に」
「いや、本当にお構いなく」
「では、お話ししましょう
ところで、私がお役御免をした理由は日下さんの方から何か聞いてらっしゃるんでは?」
「はあ、これって話ぐらい
いや、まこと申し訳ありません」
「ハハハ日下さんらしい
そうですコレです」
日暮小指をだす。
「はあ」
「誤解を受けるとなんですから
けして不義密通では、ありません
まずはお耳汚しですがみどもの先祖日暮庄兵衛は、もと武田の士族であります。
本多平八郎様の与力として徳川様の合戦で武勲をたて大阪夏の陣においては真田信繁(幸村)殿の大御所様襲撃の槍を弾き返したと言う逸話を持っており、その時の武勲にて平八郎さまより小とんぼ切りと言う槍を拝領。
。
。。
。
「私は日暮庄兵衛から第13第目の日暮家当主となるべく生まれました。
嫡男として生を受けた私はお勤め第一の父親の背中を見て育ち35まで、ろくに遊びもせずに暮らしておりました。
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