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あきらめて家に帰った私は
暗くなるのを待って
昨日の桜を撮りに行くことにした
桜の木に着いた
何人か先客がいるようだ
あらっ
あどけない女の子が言った
部長がいってた昨日の子じゃないかしら？
そうみたいだな
オタクにしか見えない格好の男の子がいった
こんばんわ
常盤田さんだよね？
桜を見に来たの？
スケボーを持ったヤンキーぽい男の子が言った
え・・・
ええ
桜を撮りに・・・
！
おっ
すげえジャン
カメラ見せてよ
はいっ
これ
ねぇ・・・
これって・・・
常磐田さん
一回撮ってみてもいい？
いいですよ
ｶｼｬｶｼｬ
みんなが顔を見合わせた
驚いてるようだ
はっ！！
ふと思い出した事があった
昨日の白鳥さんのカメラのシャッター音と
このカメラのシャッター音が似ていたのだ
どうりで！
このカメラ
何処で手に入れたの？
あどけない女の子が言った
これはおじいちゃんのカメラなんです
先日、小さな箱に入って届いたあのカメラだ
おじいちゃんが死んでから身に着けなくなったカメラ
なぜか知らないが母が送って来たのだ
きっとおじいちゃんの事を忘れないで欲しいのだと思った
それに母は故郷の風景が見たくなったのかもしれない
これは君のおじいちゃんが作ったもののようだね
ヤンキーぽい男の子が言った
こんな高性能な物が作れる人が日本にいたなんて
ｶﾞｻｶﾞｻ
向こうから人が歩いて来る
白鳥先輩だ
みんなこんばんわ
おや
昨日の
常磐田さんだったよね？
部長
これあの子が持ってたカメラ
おじいちゃんのだって
カメラを見た白鳥先輩の目が大きく開いた
その目は今
私を見つめている
決めた
白鳥先輩が言った
君をカメラ同好会に入部させる
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