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「遅かったな。早く用意しろ。」
「はい。連様。」
道場で一人瞑想をする連。
私はこの人から離れる事は出来ない。
普段は一人で出掛け人を斬る。
でも大人数を相手にするとわかっている時は連と一緒だ。
道場を出て母屋に行こうとした時、
「壬生浪士…いや、沖田はどうだった?」
私は言えずしばしの沈黙。
「嫌なら話さなくいい。」
その重圧に耐え切れず、
「あの二人の死は沖田にとっては衝撃を与えたようです。壬生浪士組の近藤、芹沢に話をするのは時間の問題かと。私の事を疑っていたようにも思えました。薩摩の仕業とも思ったんではないかと…。何を思ったかは本人しかわからないと思いますがね…。」
話を終え、道場を出ようとした瞬間、連に抱きしめられた。
大好きな時間。
私が必要とされている瞬間。
耳元で囁く。
「早く行こう。俺とお前は一心同体!一蓮托生だ。」
私は暫く連の体温を感じ、準備をした。
私は多分連とは一生離れられない。
人を斬る限り…
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