第ニ句

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「もう!沖田さんたら食べ過ぎですよ。」 ここは京都にきて初めてきた店。それからよく顔をだし、今では常連の甘味処あまぎ。 もう看板娘のあさちゃんとは顔馴染みだ。 「いや…ちょっと色々あってね。」 「だからといって餡蜜、白玉、おだんご、おしるこ…食べ過ぎで夕餉入らなくなりますよ。色々ってもしかしてあの男女が斬り殺された話ですか?」 流石に情報が早い。 「もう知ってるんですか?まぁ…そうですね。」 「客人が噂してましたから。」 あれ?あさちゃんから梅の香がする…。 「あさちゃん…この梅の香は?」 「今、流行りのおしろいですよ。元々は西洋のころんというものにからきているようです。それをおいろいに混ぜたと言ってました。私も常連さんに頂いたので詳しい事は知りませんが…」 おしろいの香…
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