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俺達の朝はとてもゆっくりしている。
普通、遊廓は昼見世の準備に追われて忙しなく、遊女の姐さんの朝はとても早かった。
だから、男娼になって昼見世が無くなったとき、朝のまったりさにびっくりした。
「おーい、椿と雛菊ちょっと下にきて。」
番頭の聖に呼ばれた。
「なに?和ちゃん何かしたの?」
たっちゃんは聖に呼ばれたのを俺のせいにして、先に下へ降りて行った。
そして俺も、たっちゃんを追いかけるように下へ急いだ。
「椿、今日中丸様がいらっしゃる。そして、中丸様の御友人も、一緒に来店なさる。御友人は初来店だが、中丸様の頼みで中丸様と同様の扱いでとのことだ。」
えっ!?
「そこで、雛菊はその方の接客頼んだ。気に入らねえ奴だったら俺に言え。出入り禁止にしてやるから。以上、上行って準備しな。」
聖にそう促されて
俺達は自分の部屋へと
上がり準備にかかった
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