亡くした心 1

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「クソッ…!」 スタークが言ったその時だった 後ろから銃声が聞こえ 続いて後ろから何かが倒れる音が聞こえた スタークは恐る恐る後ろを振り向いた スタークは自分の目を疑った それは町で一番親しい中だった友が少女に向けて銃を撃っていたからだ その時スタークの中で何かが崩れる音がした 瞬時スタークは大きく唸った 「ウゥゥゥオォォォォォアァァアァァ!!!!!!!!!」 スタークが唸り終え静けさだけが残った しかし、その静けさも無数の足音と唸り声で消された 馬は全て逃げていた 族と裏切った町の人達が辺りを見回した 周りには何百という狼の群れが族達を囲んでいた 一回り大きな一匹の狼がスタークの元へとすり寄った 族達は、ただ驚いているだけだった しかしスタークが一発の弾を空に撃つと全員が我に帰った だが既に遅かった 狼の群れが一斉に全員の喉に噛みついていた ただ一人 少女を撃ったスタークと最も親しかった友人を除いて 狼の群れも静かに見てるだけである スタークも全く動こうとはしない 「ひっ…、ひぃい…」 男は振るえる手で銃をスタークに向けた 指を引き金にかけて 今まさに撃つ瞬間だ 弾は放たれた しかしスタークは瞬時に弾を撃ち落とし、そしてそのまま男の頭を撃ち抜いた 場にはスタークと狼の群れしか立つ者は居ない スタークは少女を抱き起こし一回り大きなスタークにすり寄った狼の背中に乗せた スタークにすり寄った狼はスタークの目を真っ直ぐに見つめてスタークの気持ちを察したのか狼の群れを引き連れて、その場から姿を消した スタークは一人、自分の町に戻り、自分の家に入り椅子に座った 片手に銃を持って 暫くして、さっきの狼の群れがスタークの家の周りを囲んでいた スタークは、もう一つ銃を手にとり言い放った 「俺と勝負だ、お前達も俺に呼ばれて素直に帰る訳でも無いだろ…?」 スタークにすり寄った狼が一歩前に出る 体の大きさから察するに狼達の長だろう 「あの子は、ちゃんと埋めてくれたか?」 長は静かに頷いた 「そうか」
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