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ドナルドは大の字に倒れながら口を開いた
「正面から…向き合ってみたかったのさ……君に」
ドナルドは口から血を流し始めた
「バンギラスも……赤坂も……VOCALOIDに心を動かされた大ばか野郎だ…。……でも、、どうやら僕も……大ばか野郎だったみたい…だね、グフッ」
ドナルドの口から血が舞った
「お兄ちゃん!!もう喋らないで…」
泣いているミクの頭にポンと手を置くドナルド
「初音ミク…君は、、チップなんてなくても…充分人の心を動かせる……、君の優しい心は…、、グハァ!!」
ドナルドが更に血を吐く
「大丈夫かお前!?」
「大丈夫…な訳、ないだろう…試作品がブラック★ロックシューターをくらって…無事な訳が…フフ、……。…ミク…ニコニコを…止めるなら……このチップを…使え。…」
「これは…」
「あ!!」
まだお前が持ってたのか
「自分達の明日を・・・世界を・・・・・・ニコニコを・・・、救って…や……れ……」
ミクの頭の上からドナルドの手が崩れ落ちた
「お兄ちゃん・・・?・・・お兄ちゃん、お兄ちゃん!?お兄・・・ちゃん……!!!」
ドナルドの瞼はゆっくり閉ざされた
「お兄ちゃん…お兄ちゃぁぁああん…!!」
VOCALOID?世界征服?
知るかッ
人間以上に人間らしいこいつらをそんなものの為に使わせてたまるか
「安らかにお眠り下さい…お兄様…」
「ルカ…」
しかし、どうしたものか…このチップをまたミクに埋め込むのか?
どうやって?
そして埋め込んだところでなにをすればいい?
どうすればニコニコは止められる?
ドナルドは俺達になにを託したんだ?
「どうすりゃ良いんだよ…ドナルド、、」
『ウィーーン』
「!?」
戦い後の静けさがまだ漂っている中、突如現れたのは見知らぬ男だった
「まさかと思って来てみたが…やはりダメだったか、…所詮試作品よ。」
男はキョロキョロ辺りを見渡す
「久しぶりだな・・・ミク。私の…初音ミク」
ミクが震えている
恐怖しているのか…!?
「ま、……マスター…」
マスター?
「タカシ、あの人が…VOCALOIDの産みの親、服部博士だよ」
テトが俺に教えてくれた
「あいつが…!?」
テトを欠陥品とし、ミクを危険とみなした、この男が…
「名乗らせて戴こう、服部、服部銀蔵と申す」
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