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「ねえ、空。
どこいく?」
柚羽がニコッと笑って俺に聞いた。
ついつい柚羽の真っ赤な鼻に目がいってしまい、柚羽の鼻を摘んだ。
「柚羽が温まるところ。」
「むっ。」
鼻を摘む手を離すと、柚羽は照れくさそうに「分かった。」と呟いた。
ん?何だか妙に柚羽が緊張して見える……。
「柚羽?」
「な、なに…?」
なんか明らかに緊張してるような気がする。
「何か緊張してない?」
俺が聞くと、柚羽はビクッと目を見開いた。
そして、たどたどしく言葉を口にする。
「…会ったの久しぶりだったから…。意識したらドキドキしちゃって…。」
下を向きながらアワアワとする柚羽。さっきまでは寒さで真っ赤だったのに、今では別の意味で真っ赤になっているだろう。
「…そっか。」
柚羽の頭をポンと叩く。
俺も実際そうだけど、照れくさくて言えない。
基本俺は恥ずかしい台詞を言える質じゃない。
「…ズルいよ、空。
会うたびにいつも格好良くなってる。ズルいよ。」
柚羽がまた下を向きながら落ち込んだように言う。
ストレートすぎる…。そんな真っすぐ言われたら、さすがの俺だって照れるだろ…。
「そんなことないよ。」
片手で顔を抑えて否定することしか出来ねーや。
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