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『あるところに、小さな夢がありました。だれが見たのかわからない、
それは小さな夢でした。小さな夢は思いました。
このまま消えていくのはいやだ。
どうすれば、人に僕を見てもらえるだろう。
小さな夢は考えて考えて、そしてついに思いつきました。
人間を自分の中に迷い込ませて、世界を作らせればいいと。』
一番目アリスは勇ましく剣を片手に、不思議の国。
いろんなものを斬り捨てて、真っ赤な道を敷いていった。
そんなアリスは、森の奥。罪人のようにとじこめられて
森に出来た道以外に、彼女の生を知る術はなし。
二番目アリスはおとなしく歌を歌って、不思議の国。
いろんな音を溢れさせて、狂った世界を生み出した。
そんなアリスは、薔薇の花。
いかれた男に撃ち殺されて。
真っ赤な花を一輪咲かせ皆に愛でられ枯れてゆく。
三番目アリスは幼い娘。綺麗な姿で、不思議の国。
いろんな人を惑わせて、おかしな国を造りあげた。
そんなアリスは、国の女王。
歪な夢にとり憑かれて。
朽ちゆく体に怯えながら、国の頂点に君臨する。
森の小道を辿ったり薔薇の木の下でお茶会
お城からの招待状はハートのトランプ
四番目アリスは双子の子。好奇心から不思議の国。
いろんな扉を潜り抜けて、ついさっきやって来たばかり。
気の強い姉と、賢い弟。
一番アリスに近かったけど、
二人の夢は、覚めないまま。不思議の国を彷徨った。
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