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その日は、雪が綺麗だった。 空に見とれすぎて、 つい落としてしまった携帯。 拾う間、気づかないうちに 出来た貴方との距離。 白くなった横断歩道。 貴方と渡るハズだったのに 擦れてしまったタイミング。 『気をつけて来いよー?』 聞こえた声。 …それでもあたしは渡ってた。 そう、これが最後。 慌てて追い掛けた貴方の背中に 手が届く事は、無かった。 視界の端に見えた、白い自動車。 耳を塞ぎたくなるくらい 大きく響く急ブレーキの音。
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