第一章

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"今週も1週間寒い日が続き、気温は上がらないでしょう" 寒い冬がやって来た。天気予報のお姉さんが、だんだん人恋しくなる季節の訪れを告げた。 「今日も寒そう…」 ひかりはテレビを消し、ゆっくり窓を開けた。冷たい風が部屋全体に吹き込んで来る。 「今年も冬が来たよ…」 少し曇りがちな空を見上げ、そっとつぶやいた。時刻は7時をまわっている。 ひかりは新品のクローゼットから制服とマフラーを取り出し、学校の準備をはじめた。 「行って来ます」 誰もいない部屋にそっとつぶやき、静かにドアを閉めた。
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