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教室の窓際の一番後ろに座ってレース雑誌を読みながらめんどくさい数学の授業が早く終わる事を祈っている俺はふと顔を上げ時計を見た。
―あと、十五分か…―
―畜生、またライコネン負けやがった―そんな事を想いながら雑誌を閉じて目をつぶった。
「真人、授業終わったよ。」と前に座ってる美香が振り返りながら寝ている俺の頭をこずいた。
「いてぇな…お前、他に起こし方が有るだろ!!」
「だって、おきないんだもん。あんた。」
「だからってな…」
いつもの調子で言い合いながら帰り支度を始めていた。
「あんた、またHRサボる気?」
「あぁ。メンドーじゃん?する事無いのに。」
「今日は将来の事について先生との二者面談よ。」
「もっとタルい」
「いちよう、受けときなさい」
「やだね」
「おい、荒井!!呼ばれてるぞ!!」
―チッ…帰るタイミングがなくなった…メンドーだな―
隣の使われてない教室に入り先生の前に座った。
「最初にお前は将来何になりたいんだ?」先公の一言目はこれだった。
「知らねーよ」と返す。
「知らない訳がないだろ。」
「だから知らないって言ってんだろ」
「小さい時の夢でも良いから。」
「………………」
「黙ったままじゃ分からんぞ?」
「………………」
「言いたくないか…分かった。もう帰れ」
何も言わずに教室を出て予め持ってきたバックを掴み廊下を歩き出した。
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