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学校を出ていつもの道を歩きながら空を見上げている俺がいた。少し通学路をそれていつものサーキットへ行く。小さいサーキットだが俺のバイト先である。
「ちわーっす」
「あぁ…真人君か。ピットにエンジン壊れたカートがあるから修理しといてね」とサーキットのオーナーの大沢満が指示する。
「了解っす」と言いながらスタッフルームでつなぎに着替えピットに向かった。
「あぁ、真人君。今週の日曜にF3チームのセカンドドライバー募集のテスト会があるけど受けてみないか?」
「F3か…受けてみるよ。」
―不合格だろうけど―と思いつつも修理を終えたカートに乗って走り始めた。
日曜。テストの会場である大きなサーキットに来ていた。白いレーシングスーツを着て待機する俺。二十人の候補がいる中最初の予選で十二人が落とされると説明された。クジで出走順も決め、俺は十五番に決定された。
次々に走り、俺はレーシングカーに身を納めていた。出走まであと五分もない。
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