第二章~テスト~

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このサーキットは全体的に高速コーナーが多いオーバルコースだ。予選は一人三週だ。最初の二週は捨てて三週目にかける ―クッソ…ステアリング重すぎっ…―と今にもコースから外れようとするマシンを抑え込みながらコーナーに飛込む。直ぐに汗だくになり車体に押し付けられ意識が朦朧になる。 ―目を開けろ…集中しろ…― 必死に飛びそうになる意識を引き戻しアクセルを踏み続けた。 予選が終わり三番グリットのポジションで最終テストに迎えられる事を知らされ、俺は安堵した。 最終テストは十五週のレース方式だ。三番グリットのマシンのシートに座りヘルメットを被る。 「さっき、アンダーが出てたからセッティング変えたよ」とクルーが俺に説明する。 「いちよう、アンダー出ないようにしたけど、オーバーが出るかもしれないから気を付けて」 「分かりました」と俺はタルそーに答えた。
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