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運命のシグナルが点灯し消えた。全車アクセル全開にで第一コーナーに飛込む。俺は二位のインをついたが上手くかわされポジションをひとつも上げれない…
―上手すぎるぞ!!ヤロー!!―
少しずつだが離され始めている俺は焦りを隠せない。
「焦るな!!落ち着け」とピットの指示に
「落ち着いてるよ!」となかばキレて答える。
そして恐れていた事が七週目に起きた。シケインを抜けアクセルをあけたその時だった。
キイイイイッ!!!
ドン!!!
―…!?―
俺はスピンしタイヤバリアに激突した。幸いマシンにダメージはなく直ぐにコースへ復帰したが七位に転落してしまった。
―チクショー!!チクショー!!チクショー!!―
今にも泣きそうになりながらアクセルを踏み続けるが、最下位のマシンにインをさされたその時だった。熱くなり精彩を欠いていたドライビングが急に冷たく鋭い走りに変わる。
終わってみれば一位で完走してしまった。
―受かった…この俺がF3に―と思ったのも束の間、
「合格者は園田俊郎」と発表された。
―嘘だろ…―
やりきれない気持ちで家に帰る俺だった。
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