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凄まじい風切り音をたてながら垂直落下する二人。
じじいの張った風の防御魔法が聞いているのか、身体はそこまで寒くはなかったが別の震えが龍治を襲っていた。
ゴォッ!
一瞬二人の身体か白い靄みたいなものを突き抜けた。
「音速突破じゃあ!!」
ソニックブーム。音の壁を突破した時に出る衝撃波である。
異様なテンションになっているじじいの腕を掴み、背中におぶさるようにしている龍治は震えが止まらなかった。
とある森のなか
「到着!相変わらず下界は身体が軽くなるのう!」
ぴょんぴょんと跳ねながら確かめるじじい。既に人型に戻っていた。
龍治「もうじじいの背中なんて乗りたくない……」
地面に寝転がり涙を流す龍治。どうやら最後にじじいがやった一人チキンレースが効いたらしい。
「龍賢さん。お待ちしておりました。」
森の中から男の声。何事?と思った龍治はムクリと顔を声のするほうへ向けた。
龍賢「久しぶりじゃのう!ベルク!元気にしてたか?」
ベルクと呼ばれた男は森の中から姿を表した。
ベルク「一ヶ月前にお会いしたばかりですよ?」
筋肉隆々の身体にフサフサの耳と尻尾。
龍賢「龍治、紹介する。下界の数少ない友人の一人!人狼のベルク=アーサイトじゃ!」
ジャア~ンと効果音が聞こえてきそうな紹介をする龍賢。だが龍治の興味はそこじゃ無かった。
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