物事は急速に

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「つまりは、 表だっては動いてないけど、生徒会に恨みを持った人々…これは推測だけど。 が創立した、この学校を牛耳ろうとしている裏組織。 二年前からできたらしいが、誰が創立したかわからない。 …"黒"なんて噂にしかなってなかったけど…学校を守る立場にある生徒会が始動したということは、 とうとう動き出したんだろう?花園。」 それが生徒会長の上の名前だと言うことに気づくには少し時間がかかった。 今まで目を伏せて、聞いているだけだった生徒会長の目が長い睫毛と共に上がった。 「ああ、その通りだ彪。 そこの資料に書いてある通り、先週、美術室に黒のペンキがぶちまけられていた。 それだけなら誰かがこぼしただけの話なのだが、こぼれたペンキの横にこれが置いてあったそうだ。」 ぴらと生徒会長が名刺サイズの黒い紙を見せた。 白い文字で真ん中にコンピューターで打った文字がある。 「…"黒、参上いたす。"」 今までことの成り行きをほのぼのとして見守っていた結菜先輩がおっとりしながらぽそりと口にした。  
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