4人が本棚に入れています
本棚に追加
地球と月を繋ぐスペースシャトルは、今では日に何台も地球と月の間を行き交うようになった。
それには観光客や月面基地の視察団体、それから宇宙管制機構(通称SCO)の職員養成学校である宇宙開発学園に向かう生徒などが搭乗していた。
同じく入学生として乗っている曽根川ひかるは、座席に付属された端末で電子メールを書いている。
『
地球にいる父さん、母さん。
私は今、月面基地へと向かうスペースシャトルに乗っています。
窓から見える宇宙はとても幻想的で…言葉では言い尽くせないほどです。
これからの生活に期待と不安がいっぱいだけれど、立派なSCO職員になれるように頑張ってくるから。
それでは、また連絡します。
』
電子メールを送信したひかるは、一旦深呼吸をして手首にはめた端末から家族写真のホログラムを映し出す。
優しそうな笑みを浮かべる両親の顔を見たひかるはふっと微笑み、窓の外に無限に広がる宇宙をもう一度眺めた。
これから向かう宇宙開発学園に思いを馳せて。
最初のコメントを投稿しよう!