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入学生を乗せた小型シャトルは宇宙船基地でもあるSDSに入り、これからの生活に胸を膨らませる生徒達が次々と出てきた。 電子案内板の指示に従い、生徒達は重力制御装置による安定した重力の中、それぞれ男子寮、女子寮に向かう。 そこで支給されている制服に身を包み、歓迎式とSDS内の注意連絡を聞くべく大型催事ホールに集まることになっていた。 着替えを終えたひかるはホールに向かって廊下を進んでいくと、目の前に少し不思議な私服を着た少女を見つけた。 「どうしたの?」 何かを探しているらしい少女は、ひかると同じアジア地区特有の黄色い肌で、セミロングの髪型に頭から伸びた触覚のような髪の毛が特徴的だった。 「だめもとで『ゲジゲジ君』探してるの!」 「ゲジゲジ君……?」 名前からして嫌な感じの虫を想像したひかるに、少女は腕をぶんぶん振り回しながら説明する。 「愛流のペットロボ! だめもとでそこら辺探してるんだ!」 愛流と言う少女のオーバーアクションに気圧されながらも、ひかるはポケットから取り出した端末を広げる。 このタイプは携帯にも便利な小型かつ本格的な端末で、ケーブルなどがなくともネットワークに直接繋がることができる代物だ。 「端末はあるから、監視システムと繋げて見つけてみよう。個体識別コードは……」 「きゃあああぁぁぁぁ!」 そこへ突然、別の少女の悲鳴が響き、ひかると愛流はすぐに声の方へと向かった。 「あっ『ゲジゲジ君』!」 そう叫んだ愛流が見つめる先に、うごうごとうごめく名前そのままの容姿の虫型ロボットと、先程悲鳴をあげたらしい金髪の少女が床に尻餅をついていた。 いつの間に改造したのか少し洒落た感じに仕上がった制服を身につけるその少女は、今も必死に近くでうごめいている『ゲジゲジ君』から逃げている。
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