遺恨

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確かに佐和子の言うことはよく分かる。 騙されるだけかもしれない……。 ――人の弱みを握って金を取る。 そんな奴は今の世の中、五万といる。 ‥けど ――だけど‥! ―もう私達に望みはない。 卓は深呼吸した。 「明日詳しく課長に話を聞いてみるよ。それから決めよう」 佐和子は深く頷いた。 「そうね‥」 佐和子はクシャクシャに丸めた便箋を伸ばすと、エプロンのポケットにそっとしまったのだった‥。
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