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弟は、昭和44年9月23日に、我が家の待望、期待の長男として生を受けました。
実は、母が私の後、流産をしたとかで、様々な不安を抱えての出産だったみたいでした。姉と私、娘二人の後、四人目の妊娠で、しかも、周囲からは“必ず男の子を!”と気重い期待を掛けられ、内心、母は「また女の子だったらお父さんに申し訳ないから、」と悩み、中絶まで思い悩んだそうでした。
そんな母を父は気遣い…
「女の子でもええやないか。可愛いぞ、三人同じワンピース着せて、三姉妹もええぞ。」
当時、NHKでドラマ「三姉妹」ってあったそうですね?
父はそれになぞり、母を庇おうとしたそうです。
そして、生まれたのは弟!
父は、少なからず諦めかけていたので、驚き、照れて…担がれているのでは?とすぐに病院に行かなかったそうです。
でも、息子に逢って、きっと、うれしくてたまらなかったでしょう。
祖父から一字貰って“兼久”と名付けられた弟は、家族から愛されて…たくさん、たくさんの愛を受けて、甘えん坊で、口が少し悪くて、我儘だけど、優しい弟は、普通に人生を送る筈でした。
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