日常1 《黒猫亭の看板娘》

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確かに志乃さんや子供達の頑張りのおかけで店の売り上げは上々です。 サナミにゴロー君捜索の資金を渡しても余裕がありますね。 ならば・・・ 「・・・スタッフを増やしますか。」 「え!?アルバイト雇う?」 「いえ、まずは子供達を楽にしてあげなければ。」 「えー。私も忙しくて大変なんですけど?」 「分かっています。しかし、まずは子供達が先決です。彼らは志乃さんと違って言葉を話す事が出来ないのですから。」 「むー。そうだけど・・・。」 「アルバイトは手が空いた時にトトさんにでも頼んでみますよ。」 「ええっ!?だってトトさんは自分の仕事あるじゃん!経営者だし忙しいんじゃ?」 「大丈夫です。この間、パソコンに向かいながら大きなどら焼き食べていました。フライパンサイズです。仕事をなめています。彼女は少し忙しいくらいではないと。」 「・・・鬼か。」 「いえ?死神です。あ、元死神ですね。」 さて、そうと決まれば早々に出かけましょう。 善は急げとも言いますし。 「・・・また行くの?保健所。」 「はい。正確には保護センターですがね。」 「行ってほしくないなぁ。」 「何故ですか?」 「クロさん・・・保健所に行くと悲しそうな顔してるから。」 ・・・。 「そうですか?私は何も感じていませんが。」 「嘘。じゃあ何でペットショップで買わないの?うちの子達、全員が保健所から貰ってきた子じゃん。」 ・・・志乃さん。 何故かいきなり不機嫌ですね。
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