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《お婆ちゃん!?》
ミアは急いで体勢を立て直すと老婆に走り寄る。
《お婆ちゃん!!大丈夫!?》
「・・・。」
ミアは倒れる老婆に必死に声をかけた。
しかし、老婆は返事どころか動く気配もない。
《ねぇ!!お婆ちゃん!!お婆ちゃん!!》
ミアは手でゆっくりと老婆の顔を叩く。
まるで寝ている老婆を起こそうとしているように。
しかし、その声は虚しく響くだけだった。
老婆はその声に反応する事なく、目を閉じていた。
《お婆ちゃん!お婆・・・。》
【・・・無駄ですよ。】
・・・!?
ミアは驚愕した。
・・・いなかった。
さっきまで確かに誰もいなかったのだ。
しかし、自分のすぐ後ろから声がする。
ミアの身体は硬直する。
それはまるで、身体に茨が巻き付いたようにミアの動きを固く封じる。
【その老婆は寿命です。そこに倒れるは脱け殻。】
次に声が聞こえた時、ミアの意識は現実に戻り急いで身体を声のする方に向けた。
だが、その姿を見た時ミアは再び固まってしまう。
後ろにいたのは人間。
パッと見た感じは人間なのだ。
しかし、違うのは背中に生えた大きな翼に、身に纏う空気。
白いスーツを身に纏ったその人物は興味無さそうにミアを一瞥する。
【猫さん。あなたの飼い主は死んだのです。死因は脳梗塞。あなたがいくら頑張って救おうとしても寿命は変わらないのです。】
《お、お婆ちゃんに何をした!?》
【しかし、あなたのした事は立派です。】
《お・・・お婆ちゃんを起こせ!》
【まさか、車の前に飛び出すとはね・・・。】
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