日常3 《ヤンキーと少女とお弁当》

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ーーー・・・。 「・・・ちょっと待ちなさい。もしかして、そのゲテモノを教えたんですか?」 「は?ゲテモノ?何を言ってるんですかぁ?至高の逸品!神の料理ですよぅ!」 朝の黒猫亭。 そこでモーニングのトーストを【カリッ】と頬張りながらトトは答える。 勿論、そのトーストには数々の甘味がのっている。 あんこ、バター、そして生クリーム。 「・・・常人を貴女の味覚と一緒と思わない事です。貴女の味覚は甘味に偏り過ぎなのです。いつも、そんな物を食べてる訳じゃないでしょう?」 「当たり前ですよぅ!たまには牛丼+生卵!ラーメン+チャーハン!ですが?」 「なら、そちらを教えて差し上げれば?」 「ん?あっはっはっはー!馬鹿ですねぃ!クロさんはクソ馬鹿ですねぃ!・・・私が作れる訳ないでしょう?」 「クソ馬鹿は貴女です。鼻に割り箸が突き刺さって死ね。貴女の場合は出来ないではなくしないです。サナミと違ってセンスはあるでしょう?」 「発言に然り気無くディスりを含めるの止めてもらえますぅ?」 クロは呆れたように【はぁ。】とため息をつくと、「よろしい。では彼を私の所に連れてきなさい。」とトトに命令するような口調で言った。 「・・・え?何でですかぁ?」 「・・・馬鹿な・・・いえ、失敬。クソゴミ馬鹿な元部下のせいで彼が嫌われたら可哀想です。何より、そんな食生活では少女が糖尿病になってしまいますから。」 「・・・?」 「全て言わないと理解出来ないんですか?本当に察しが悪い。私が彼に料理を教えると言っているんです。」 「えっ?・・・えーっ!」 「ただし慈善事業ではありません。短期アルバイトとして、ここで働くのです。料理を教えるので給料は半額の時給600円。お昼ご飯付きです。」 「で、でも髪型とか凄いですよぅ?完全なコッペパンヤンキーヘッドですよぅ?」 「髪型などで人間の本質は語れません。むしろ、どうでも良いです。それを食べたら探して連れてきなさい。それまで・・・デザートはなしです。」 「・・・え?」 「・・・なしです。」 「えっ・・・えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
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