日常3 《ヤンキーと少女とお弁当》

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ーーー・・・。 「・・・つまり俺が行かねぇと、てめぇが困るだけじゃねぇか。」 「はぃ。クロさんの料理は本当に美味しいんですぅ。クロさんのデザート抜きなんて・・・発狂してしまいますよぅ。」 トボトボと歩くトトに、ついていく二階堂。 トトは道すがら事情を二階堂に説明した。 「は?何で俺が?」そう言うと思った二階堂だが、驚く程呆気なく了承しトトと共に歩く。 「でも意外ですねぃ。てっきり断るかと・・・。」 「・・・自分でも分かってんだ。このままじゃ、あのガキは喜ばねぇ。ようは修行だろ?上等だぜ。」 「でもクロさんは多分、厳しいですよぅ?心がへし折れますよぅ?」 「あぁん?上等だよ!気合いなら負けねぇ!」 そうして歩く事30分。 目的の黒猫亭に辿り着いた二階堂は絶句した。 古い古民家を改修した店舗。その店舗には満席と言える客、客、客。 今は昼過ぎの14時なのに異常な賑わいだ。 「お、おい。今日は何かキャンペーンとかやってんのか?」 「ん?あぁ。いつも14時くらいまでは、こんなものですよぅ?私が行く時も開店前とか閉店後とか、お店の定休日とか・・・あと、空いてる時しか行きませんから。」 「・・・なぁ、そのクロって奴の店・・・猫カフェだよな?」 「はぃー。でも、この時間は普通にクロさんの料理目当てですよぅ。クロさんの料理・・・めちゃくちゃ美味しいんです。特にコーヒーなんて異常な美味さですよぅ。」 「マジかよ。猫カフェってあれだよな。猫と戯れる店・・・だよな?普通、飯とか食えない・・・あっても軽食くらいだよなぁ?」 「はぃ。でもクロさんはカフェにめちゃくちゃ力入れてますからねぃ。そこら辺の飲食店より美味しいんですよぅ。安いし。それより猫カフェ詳しいですねぃ。行った事があるんですかぁ?」 「・・・ん?あぁ。うちの総長が猫好きでよぉ。何回か行った事あんだよ。」 「へぇー。餌と間違えて頭のコッペパン、噛られませんでしたぁ?」 「喧嘩売ってんのか?あ?」
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