日常3 《ヤンキーと少女とお弁当》

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「二階堂君。この料理を窓際、右から3番目のテーブルに。」 「お、押忍!」 「二階堂君、この料理はカウンター。右から2番目に。」 「押忍!」 「二階堂君。お客様が帰ったらお皿を下げてください。台拭きでテーブルを拭くのを忘れずに。」 「お、押忍。」 「あぁ、二階堂君。このドリンクはカウンター右端へ。これは窓側左から2番目の席へ。これは中央の丸テーブルへ。」 「お、押忍っ!」 嵐のような忙しさとは正にこの事。クロは精密機械のように矢継ぎ早に二階堂に指示を出す。 その指示は実に効率が良く、お客を無駄に待たせるという状況を一切作らない。 数口あるコンロも全てが埋まり、次から次へと料理が作られ運ばれていく。 二階堂はそんな暴力的な忙しさにも、持ち前の体力と根性で必死についていく。 逆にトトは手伝いなれているのか「はぃ~。おつりですよぅ。」と間延びした口調とは裏腹にさっさと会計を捌いていた。 ・・・ぐっおぉぉぉ! 身体が暑い!指がつる! 何でこんなに忙しいのにクロさん・・・いや、師匠は顔色一つ変えねえんだ!? 二階堂は額に汗を流しながらもクロを観察し、尊敬した。 ・・・ト、トトは? チラリとレジに視線を移す。 するとにこやかに接客をしながらレジカウンターの引き出しに隠したチョコケーキをコソコソと口に頬張るトトの姿。 トトは二階堂の視線に気付くとニヤニヤと笑みを浮かべた。そして・・・そのいやらしい笑みが物語る。 ・・・おやおやぁ~。 もう疲れたんですかぁ~。 私なんてぇ~余裕過ぎてチョコケーキ食べてますよぅ? 情けないですねぃ~。そんな根性なしの甘ちゃんは今日からコッペパン改め・・・ジャムパン野郎ですよぅ・・・。と。
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