依頼1 《自分を偽る者に幸せは訪れない。》

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一頻り叫ぶと、泡を吹きながら竜也は失神した。 壮絶な痛みに脳が意識を切る事を選んだのだ。 クロはそれを無表情に見つめると「・・・あと1本あったのですが・・・許してさしあげましょう。」と竜也から視線を外した。 そして次にその目が捉えたのは・・・山岸。 山岸は「ひぃぃぃぃっ!」と叫び声を上げると逃げ出そうと後ろを振り返った。 しかし、そこにあるのは壁。 山岸は知らなかった。 知らない内に壁際まで後退りしていた事に。 クロはゆっくりと山岸の方へ歩く。 その一歩、一歩が山岸にとってはとてもゆっくりに、とても重く感じた。 山岸の心は恐怖に支配されていた。 助かりたい!助かりたい!助かりたい!助かりたい!助かりたい!助かりたい!助かりたい!助かりたい!助かりたい!助かりたい!助かりたい!助かりたい! 次の瞬間、山岸は土下座をして命乞いを始めた。 しかし、その言葉は・・・クロには届かない。 「・・・安心なさい。貴方は主犯ではないようなので2本にして差し上げます。」 「や、やめて!やめて!やめて!やめてーっ!」 「・・・駄目です。貴方は零さんを殴りましたね?弱い女性を護る為に立ちはだかった・・・より弱い零さんを殴りましたね?私の・・・私の大切な者を理不尽に傷付けましたね?」 「ご、ごめ・・・」 「起きたら彼に伝えなさい。私はいつも貴方達を見ている。今度、零さんに、太一君に、友里亜さん達に近寄ってごらんなさい。」 「ひっ!?ひっ!?」 「・・・壊しますよ?」 ・・・【ゴキンッ!!】
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