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「すまないな、俺はちゃんとした魔族だ。右肩に魔族の証の刺青(イレズミ)もある。」
ラリィは(短い人生だったな……)と自分の人生にピリオドが打たれる事を勝手に決め付けていた。
その事もまた、お父さんはスルーしてその魔族の証の刺青ってのを見せてきた。
刺青は紫色で△と▽を重ねたロクボウセイの形をしていた。
そしてラリィはその刺青を見てある言葉が頭を過った……。
「ねぇ、お父さんはさっき魔族の堕落者って言ったよね?その事詳しく教えてくれない?」
そうさっきお父さんは"魔族の堕落者"と言っていた。
「ああ、その事はまた後で話す」
ラリィは納得のいかない顔をした。
「ここも後5分ぐらいで消えるからな。またラリィがお父さんにこのテレパシーゾーン以外で強く感情を抱き、眠りに着いたならまた会える。魔族の魔力が流れる限りな!!わははははは」
お父さんはまたラリィの頭を乱暴に笑いながら撫でた。
その乱暴な行為が理由かは自分でも分からないが自然と不安が嘘のように消えた。
今日初めてお父さんと会ったばかりなのにずっと一緒に居る見たい……不思議だなとも思いながらラリィもお父さんを見て笑った。
そうだよ。バレなきゃ大丈夫じゃん!!これから頑張れ、俺!!!ははは自分に気合いを入れてお父さんにバレない程度に笑った。
……………!?
話が終わったと同時にいきなりお父さんとラリィは体が透明化してきた。もしかしたらテレパシーゾーンに居られる時間がもう無いのかもしれないとラリィにも分かった。
「……時間か。最後にラリィ、お前が寝る前何を見てたのか、何を聞いたか分からないが俺に強く感情を抱いた理由を教えてくれ!!これは結構大事だ」
もうじき消えるのにいきなりの質問にラリィは戸惑った。
「え?う~ん、それは……寝る前、魔法学校で使う為の杖を探してて、一番杖が有りそうなクローゼットを探してたら奥にやけに古いアルバムが見つかって……そのアルバムを見たら誰だか分からない"おっさん"が写っていて誰だろうと思いながら寝ちゃったからかな?」
俺は何の仕返しか自分にも分からないが"おっさん"を主張して説明した。
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