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夜が遅かったからか時差ボケか……誠が目を覚ましたのはお昼の12時をまわったころ。体を起こし頭をかく。隣にある武蔵の寝床は当然のように空だ。誠は立ち上がり着替えを済ませ部屋をでてリビングに行くため階段を降りる。リビングに入ると武蔵が昼食に焼きそばを食べているところだった
「おはよ」
「おぅ、親父わ?」
部屋を見渡しながら返事をした誠は姿の見えない父親のことを聞く。武蔵は箸を止めずに答えた
「とっくに出かけたよ。俺らの学校の手続きやらで今日は遅くなると」
「学校か。今冬休みだから部活とかやってんのかな」
自分から聞いておいてなにも反応しない誠だったが武蔵はそれが当たり前のように続ける。何年も一緒に過ごしていればそうなるのも無理はないだろう
「多分な。でもタメはもう引退してるだろ?」
「そいやそうだ。後輩の顔とか知らねえし行けないな」
誠は自分の分の焼きそばを皿に取ると武蔵の向かい側に座った。これも何年も続く光景である
「おっ今日の焼きそばいつもと違うんじゃね?」
「隠し味に……」
たわいもない会話を続けながら2人は箸を進めた
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