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怒るどころか挨拶もしない先生に首を傾げながらも、華乃は窓側にある自分の席へと移動した。 なんか可笑しい…。 華乃がそう思うのも無理はないだろう。 華乃は今高校2年生。 だが、新学期のようなクラスのことがわからない時期でもない。 高校生活の半分以上が終わったであろう10月の半ばだった。 いくら鈍感な人でさえ、クラスの雰囲気ぐらいは掴めるだろう。 以前遅刻した時と言えば―… ガラガラ… 「おはようございまーす…」 「よぉ、相澤。おはようじゃなくておそようだぜー!」 「あら、ついさっき来たあなたが言えることかしら?ねぇ、金子くん?」 国語の授業だったのか、美人だが後ろに漂う黒いオーラが出たら危険と噂の中井先生が金子晃(カネコアキラ)の後ろに満面の笑みで立っていた。 黒いオーラが見えたのはきっと華乃だけではないだろう。 この状況はヤバい…。 そう思ったクラス全員が息を飲んだ瞬間…。
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